ご無沙汰しておりました。茶湯・晴山です。

永らく投稿を見合わせておりましたが、この度ブログを再開する運びとなりました。今後とも宜しくお願い致します。

〈神無月〉今月の《道具》

〔享保年間 大西五郎左衛門 作 屋根釜 大西浄長極〕

江戸大西家の初代大西家大西定林(? —1727。名は延貞、通称は五郎左衛門・元禄年間活躍)、父、大西家二代浄清と叔父の浄久とともに江戸に出ます。

その後定林は江 戸にとどまり、江戸大西家を興し古田織部、小堀遠州好、片桐石州の釜を制作。江戸大西家は京釜とは異なる独自の作風を伝えていましたが徳川末期に絶家してしまいました。 

この釜はニ代 五郎左衛門( 延享元年没(?~1744)享保年間活躍 )の作、屋根釜です。

江戸大西二代五郎左衛門は定林の子で、いわゆる享保年間・五郎左衛門といわれます。最初は五兵衛を名のっていたようで、五兵衛の共箱がときたま見受けられます。二代五郎左衛門も先代定林に似た作風ですが、やはり京作とは全く異なった作風で、細やかな地紋があり地肌はつるりとした、雅で美しいものが多く見られます。

本作も、苫屋形で四方に設けられた瓢箪の釻付と繊細な地紋が特徴となっています。この時期、十月のわびた風情を演出するのに面白い釜ではないでしょうか?

春には専用の鎖で、釣釜で使ってみました。

10月・屋根釜


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