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ネットで楽しむ茶事十二ヶ月」=茶の11月


「開炉、口切」
暦の上でも「立冬」を迎える頃、茶湯の世界ではいよいよ「開炉」「口切」の時期を迎えます。

炉開や
   左官の老ひゆく髭の霜

         芭蕉

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開炉に向け炉が塗り直される

 茶人の正月とも言われるこの時期、十月とはうって変わって華やかな雰囲気に包まれます。
 利休は「柚子の色づく頃」と言っているように、冬の入り口の季節、火の恋しく感じられる頃、炉を開けるようにとの教えでしょうか。古くは「老人は早めでも良いが、若年は遅めに」とも言ったようですが、十一月から四月を「炉の時期」と定めカリキュラムを組んでお稽古をする都合上、この半年は「炉の点前」をすることが各家元や稽古場では習わしになっています。

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塗り立ての炉壇

 茶室や稽古場では「炉壇」を塗り替え、障子を張り替え、畳の表替えをし、露地の青竹即ち「垣根」や「雨樋」「中門の枝折戸」場合によっては「蹲踞の筧の竹」などまで新しくします。
 殊に「口切の茶事」などの場合には壁を塗り替えたり「腰張」を張り直したり、特に気を入れて「改まった雰囲気」を醸し出すことに専念します。故に「口切の茶事」に呼ばれるなどと言ったことは「一生に一度」とか「茶人冥利に尽きる」とか言われるわけです。
近年では炉壇も金属製(銅、鉄)や関東では石の物など「塗り替える」習慣が希薄になっていますが、本来の姿は茶人たる以上知っておくべきでしょう。
茶湯の潔さが現れるもっとも端的な月、それが十一月です。


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青竹に替えた露地

 ほかにも「青竹」も筍の成長する時期や夏の渇水期など、秋口までは竹も体力を失っていますが、この時期は竹を伐るにはもっとも良い時期とされ「青竹」の色も残りやすくもあり、よく考えられた物だと感心します。畳も日差しの弱くなる頃、家屋の戸障子も閉め、青畳を永く持たせるにはよい時期ではないでしょうか。
 このように合理的に取り替えの時期を規定した先人の知恵には敬服します。
 勿論、今年の「新茶」を「茶壷」から取り出し茶臼で挽き頂くこと、が口切りの意味でもありますが、近年では茶そのものの保存技術が向上し年中上質の茶を頂くことが出来る時代となり、逆に「今年の茶」の有り難さが分からなくなってしまってもいます。ですからなおのこと「しきたり」としての「開炉、口切」の姿は大事にしたいと思います。
 風炉から炉へ雰囲気も異なり、季節を大切に過ごしてきた茶人にとって大事な月と言えるでしょう。

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利休所持真壺「松島」


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網がかけられた茶壷

青畳に替えないまでも「炉畳」の部分は一畳ないし半畳取り替えることになります。畳を替え「炉縁」が入ると部屋の雰囲気もがらりと変わってきます。道具もまさに「風炉」から「炉」へ変わることによって「釜」も大きくなりますし「炭」が随分大きく感じられる物です。中の「五徳」も炉用の大振りな物、当然「炭道具」のほとんどが入れ替わります。「炭斗」は大きめで背の低い物、「羽箒」も本勝手では「左羽」に「火箸、灰匙」も木の柄の物、「灰」が「湿灰」になり「灰器」も素焼きの大振りな物へたっぷりと入れて持ち出すこととなります。
「香」も「香木」から「練香」へ「香合」も「陶磁器」に変わります。ほかに「柄杓」「竹の蓋置」花も「実物(みもの)」や「草花(くさばな)」から「木物(きもの)」へ「椿」など代表でしょう。「照り葉」なども見頃使い頃となります。
正式な四畳半では畳の敷き方も風炉と炉では異なることも知っておくべきでしょう。
様々に変化する「炉の季節」の始まりです。
「初風炉」の時以上に、正式な雰囲気が求められるのが「口切」の茶事です。前述したように茶室露地までも改めて「今年のお茶」を初めて、挽いて頂く、厳粛な儀式でもあります。
茶壷は「眞壷(まつぼ)」と呼ばれる「呂宋壷(ルソンつぼ)」を最上とし、以下国焼の物も用いられます。江戸時代に入り武家からの注文品である「仁清焼の茶壷」なども作られるようになり、保存を目的とするより「装飾重視」の傾向が伺え儀式化していったとが分かります。

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壺の封印を切る

「出向いていったらいきなり口切りだった」という茶事の案内はなく、あらかじめ「口切りの茶事」である旨を伝え客もそれなりの「覚悟」で茶事に臨みます。席入をすると床の間に「茶壷」が飾られており、一通りの挨拶が済めば正客から「茶壷の拝見」を請います。床からおろされた茶壷は亭主が「封印」を確認、正客から順に詰めまで拝見に廻り、亭主に戻されます。「封印」は紙でされています。

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御茶入日記

 亭主は壷に次いで「入日記」を廻し所望の茶をたずね、普通客の前で茶壷の封印を切り、所望の茶を壷から取り出し、再び紙で封印をし、濃茶に供するため水屋で茶臼にかけ、初炭、懐石の間に挽き終わり「茶篩箱」に入れカタカタと篩い、中立の後、濃茶器に入れ茶を点て、一口試し飲みをして客に渡します。
茶壷は初座では網に掛けられていた物を後座では「乳緒」を結び再び床に飾ります。

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茶臼で挽き立ての茶を供す

 一般には「網が掛けられた茶壷」は拝見を所望しても良い状態と捉えられますし、「乳緒」が結んであれば拝見は所望しないしきたりとなっているようです。武者小路千家では口緒を結んだ茶壺を飾り、水屋へ下げるときに網に入れ持ち帰るといった例外もあるようですが、単に季節感として床に飾る場合も拝見を前提としない「乳緒結び」の状態か「口緒結び」の形で飾る方が何より無難かと思います。





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