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三月の行事
卒業、就職、転居、転勤


 この時期、新入学や就職といった新しい世界への旅立ちの時期でもありそれにふさわしい趣向も歓迎されます。

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而妙斎好 春野旅箪笥12代宗哲
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元伯宗旦好青漆爪紅及台子 飛来一閑

「旅箪笥」や「及台子」などはその意味で良く使われる棚物です。新しい人生の旅立ちの門出の時期に「旅」をイメージした物も一考かとも思います。
「及台子」は古来中国のいわば上級公務員試験で隋・唐代に始まり、清代の末期間で続く「科許」に及第する事に繋がり試験の合格を意味するところから良く使われる訳です。宋時代には科挙の合格者だけが通れる門の形からとか及第の作文を置く台の形とも言われます。一般には炉用の台子ともいわれますのでこの時期が一番使い易いのでしょう。ただし、利休好は真塗で「真台子」とほぼ同じの寸法形式で「炉、風炉兼用」です。「元伯宗旦好」が「炉用」として小振りに好んだものが比較的よく知られています。
別に利休好み等に「小及台」と云うものもあります。これは小棚に入ります。
 春三月は移動の時期でもあります。
「虚堂智愚」の送別の語句として知られる「為君竹葉々起清風(きみがためたけ、ようようせいふうをおこす)」という語句は茶人の間では膾炙(かいしゃ)されよく揮毫(きごう)されるですが、このような趣向には使い易い物のひとつです。
 「餞」餞別の餞ははなむけと読むのはみなさんご存じのところ、贐とも書き元々は「馬鼻向(うまのはなむけ)」をの略した言葉といわれ、旅立つ人の馬の鼻をそのゆく方向にむけて、旅の安全を祈ったところから、旅立や門出を祝って金品や詩歌などを贈ったり、送別の宴を開いて見送ったりすることとなりました。
 そんなところから「馬」に関わりのあるものを登場させることで送別を現すこともできます。

江戸時代後期には『秘事石州流茶道侘茶事大概』の記述では武家の間での「移動」は国替えはあまり歓迎されることが少ないこと、また、参勤交代などが想定されたためでしょうか旅立ちとして、「帰る」事を前提に述べられ「旅立ちの会」としています。

 

旅立の會
旅立の會は無事の帰国を願う餞別の茶事ということになるでしょう。
床に丸卓を飾り、千里行き千里戻るという縁起の良い虎や、獅子の香炉を下に、上の棚板には三ツ羽を置き、かざります、
または色や香のよい、ちりがたき花を活けます。
送別の意を表す柳の枝を輪に結びて活る事もあります。
諸具の蓋はあおむけに置きます。もちろんこれは「帰る」に掛けたものです。
茶入は擂座を用います。これは石州流ではこの茶入のみ蓋を開けたときに畳にひっくり返して置くところから「帰る」に懸かる意味で使われるものしょう。
 但し、仕舞水をささない事も、故実です。これはくつがへると云う意味も含まれるからでだそうで、水上の航行が安全になるようすべて静かにすむよう、水面をざわつかせないためなのかも知れません。

 江戸時代の感性は今とも違う面が多く、ここまで縁起を担ぐのかとも思われますし、現代ではここまでこじつけることはないように思われます。そのこだわりはいささか滑稽にすら感じます。
 もちろん想像の外ですが、それほどまでに当時の移動は命がけだったのかも知れません。


お水取り

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二月堂の籠松明

古都奈良に春を告げる「お水取り」は奈良東大寺二月堂の行事です。
二月堂は毎年、陰暦二月「修二会(しゅにえ)」を行うところからの呼称で、東大寺大仏殿の東側にあり日本華厳宗第二祖、良弁の弟子実忠が創始、現在の建物は寛文九年徳川家綱が再建したものです。
 本尊に十一面観音像を安置され毎年陰暦二月一日から一四日の間行なわれ、二月十二日(現在では三月一二日)の夜から翌未明にかけて、二月堂では回廊での籠松明、閼伽井屋でのお香水汲み、堂前の若狭井の水を汲みとり、香水(こうずい仏語。香を加えた浄水。道場や仏具をきよめたり、体をきよめるために注ぎかけたりするのに用います。また、仏前にそなえる水。閼伽(あか)ともいう)とする儀式を行うところからの謂われがあり、内陣での達陀の行法が夜を徹して行なわれます。

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閼伽桶を建水に

ただ、この日は一連の行事のひとつにすぎず、二月二十日には「別火」とよばれる精進潔斎がはじまり、三月一日からは「十一面悔過」という本行に入ります。また、達陀の行法は十二日だけでなく十三、十四日にも行なわれ、一般的にはお香水汲みだけでなく三月十二日目の籠松明から達陀にいたる一連の行事をさす。さらに広く二月から三月にかけての行事全体をいうこともある。お水取にはこのように三つの意味があります。
 十二日の晩に行われる「籠松明(かごたいまつ)」の火の粉を受けると健康に過ごせるとされ、とてもにぎわいます。修二月会(しゅにがつえ)とも言い、これが済むと古都奈良にも春が訪れると言われています。
 閼伽井屋の水は奈良の真北、若狭小浜の遠敷川の鵜の瀬から地下を通って送られてくるという壮大な伝説がある。閼伽井屋の井戸を若狭井ともよぶのはこのためである。初めて若狭から水が送られたとき、水とともに黒と白の二羽の鵜が飛び出したという。毎年、お水取の前の三月二目、鵜の瀬では神宮寺によってお水送りの行事があります。
お水取りの松明の竹を使った茶杓や花入等もあります。

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赤膚焼茶碗 奥田木白

東大寺に因む書や掛物、古材の茶道具や香水を入れる閼伽(あか)桶など手に入れば建水として、まさにご馳走です。
香合に「伊賀伽藍香合」や瓦を象ったもの等も良いでしょう。奈良の焼き物「遠州七窯 赤膚焼」のものも、取り入れてみましょう。
奈良絵と呼ばれる独特の模様は「東大寺縁起」に因んだものだそうです。ここでは南都七大寺の瓦を模した皿なども作っています。
 遡って、東大寺では元禄、宝永年間に、戦国の戦火で消失した大仏殿再興のため、長州毛利家から萩焼の大仏茶碗の奉納を受け、以後見込みに「大」の字が書かれた茶碗用いていました。
 近年、これを地元赤膚焼で写し、昭和の大修理より山内で分けて頂けるようになりました。形は平たいので、まだ寒い日もあるこの頃には不向きかも知れませんが。
 散華に用いられる「のりこぼし」と呼ばれる紙で出来た椿の花を用いますが、それを象ったお菓子なども奈良では作られています。
干菓子には奈良の銘菓「青によし」も使いどころでしょうか。

 

涅槃会

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 涅槃会(泉涌寺)

陰暦二月一五日、釈迦の入滅を追悼して行う法会(ほうえ)を指し、寺院では「涅槃図」をかかげ遺教経を読誦します。「涅槃講」「常楽会(じょうらくえ)」「如月(きさらぎ)の別れ」等の名称があり新暦の三月十五日に行われることが多いようです。
この時期二十日頃には春の「お彼岸」を迎え、共に仏事関係での趣向、取り合わせも可能です。

 

西行忌

『西行法師家集』の歌

  願はくは花の下にて春死なむ
        そのきさらぎの望月の頃



 如月は旧暦二月のことですから、「きさらぎの望月」といえば、旧暦二月十五目の満月。この歌で西行は桜の花のもと、お釈迦様と 同じ日に死にたいといっているのです。
 ふつう涅槃会は桜の開花より早くめぐってくるのに西行が亡くなった文治六年(一一九〇)の二月十六日はたまたま太陽暦の三月ニ十九日までずれこんだので、西行がなくなったのはその日に(旧暦の二月十五日)に一日遅れたものの桜の花時とぴたり重なった。めでたい天のはからいです。
 仏事を思わせるものに「経筒花入」「鰐口」や仏具としての「払子」「如意」などが連想されます。

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九輪釜
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古染付 荘子香合

釣釜の時期でもあり「九輪釜」を掛けるのも、一層風情を醸し出してくれます。釣り鐘を模した「尾上釜」も釣釜には打って付け、楽しい釜の一つです。 
 寺の古材を使った茶道具、茶器や茶杓、小間であれば、炉縁などはよく見かけます。炉用の棚でもある「淡々斎好、誰ヶ袖棚」の最初の三個は法隆寺の古材で天板が作られました。ほか木地の棚にも古材を用いたものもまれにみられます。
その他「仏法会」に関しては同じく「秋のお彼岸」、四月の「灌仏会(かんぶつえ)」夏の「夏安吾(げあんご)」「盂蘭盆会」十二月の「朧八(ろうはち)」など季節に問わず繰り返し使えるものも多くあります。
また通年で「歴代家元忌」等にも使用出来ます。
代表的なものとしては茶家で言うと「利休忌」旧二月二十八日が利休の命日にあたりますが、多くの家元では三月に移して行われることが多いようです。
利休の茶道具といえばなかなか入手は出来ませんが「利休好」「利休形」「楽家の茶道具」など利休ゆかりの茶道具を取り合わせ茶聖の遺徳を偲んでみるのも良いかと思います。「利休忌には菜の花と桃」と言われるようにいよいよ春めいた季節となっています。
同じく小堀遠州も二月六日が祥月命日ですが遠州流宗家では三月初旬の日曜に開催しておられます。
この時期ぐらいから登場する「蝶」も季節柄多く登場しますが、この「蝶」茶の湯の取り合わせとしてはいささか難しく、荘子が夢で胡蝶になったという「荘子‐斉物論」の故事から、蝶をはかない浮き世の象徴、または死を表すもの=「夢蝶」といったイメージがあり「不祝儀」「仏事」にも多く用いられます。
同じ理由から「夢」の語句は多く「不祝儀」の連想を誘うものとなっていますので用いる際は少し気を付けた方が無難ではないでしょうか。

啓蟄は春になり、地中の虫が地上に出てくる頃とされ同じ虫偏の「蛙」や「蟾蜍」等も含まれ蛙の銘や意匠が登場する頃かとも思います。「瀬戸真中古茶入、春山蛙声(しゅんざんあせい)」はこんな時季に登場する茶入として取り上げられます。

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