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石州流を学ぶ人のための茶道具基礎知識7 棚物点前 続き

 棚の点前がそんなにも多くあり、全て修得しなければならないのかと驚かれる向きもおありかと思いますが、いくつかの法則に従い、分類し、パターン化すればさほど多くはありません。他流に比べむしろ使用できる棚が限られているため、茶会などのバリエーションに欠けるとも思われていたようですので、多くの棚を紹介してみました。

炉、風炉ともに用いる棚では

①一重棚
 

二本柱、三本柱、四本柱の違いで水次の時に水指の出し入れが

異なります。

丸と四角、その他で柄杓の飾り形が変わる?事もあります。

②上二重棚
 

四本柱が主流です。中棚に飾る物と天板に飾る物の区別が

あります。

③下二重棚
  おおむね、下の棚には建水を飾り扱います。
④三重棚
 

天板には何も飾らない決まりがあります。ほかは上二重棚と

同じ扱いです。

⑤箪笥
  箪笥から道具を出し展開していく点前です。

 ⑥運び棚

  地板のない棚、石州好葭棚などがあります。

これら、おおざっぱに分けても

   六種×炉、風炉×濃茶 薄茶、初炭、後炭=三十六通

      の点前があるということになります。


炉に用いる棚では

水指を中央に置く棚(小棚)
 

炉風炉共通の棚=上記の6種類
⑦炉用一重棚

水指を客側に置く棚
 

袋棚、台目棚

袋棚中、地袋棚     

袋棚中、違棚

違棚中、天板まである物      袋棚

          天板を省いた物      車棚

          天板と慳貪も省いた物  竹違棚

天板には書院の飾り(唐物の文房具、香炉、巻物など)するので

天板のない物はそれを省略できることになります。


   四種×濃茶 薄茶、初炭、後炭=十六通

   都合棚点前合計=五十二通の点前となります。

参考=『手引きの糸』記載の棚

傳書の中で先ず、 竹台子、を上げている点が注目されます。
次いで小及台、(及台子)竹水指棚、葭棚(石州好みとされる三点)、
三重棚(利休好)、竹違棚、旅箪笥、洞棚(津田宗及好)、
上棲棚(城楼棚)、割箪笥、丸卓、(炉、風炉に用ゆとあり、利休好)
袋棚(香棚、志野棚)、紹鴎棚、
笈棚(珠光好としています、一般には裏千家好みの桑小卓を用いていますが、『茶道正法眼図之書』では真塗で出来た物とされています。)、
芦台目棚(一般には単に葭棚と呼ばれる利休好の台目棚です。石州好みの葭棚と区別するため用いられた名称か)、
宗甫好 (利休時代、秀吉の茶頭茶頭八人衆の一人重宗甫の好とされるが実体は不明の棚)
猿曳棚、(桑山宗仙翁より宗関師(石州候)へ送られたとしている、右は流祖好としているが、静嘉堂文庫には「織部」=「遠州」=「清水道閑」と伝わった物が現存している)
三ケ月架(炉風炉に用いられ半々庵(初代幸琢)の五十回忌の時に、半寸庵(三代幸琢)が好んだ棚)
 都合、十七種の棚が紹介されていますが、解説があるのは、その一部が取り上げられるのみです。またどのようなものか不明なものも入っています。
解説がない棚は
葭架、三重架、上棲棚、紹鴎棚、芦台目棚、宗甫好、 猿曳棚、三ケ月架 が上げられます。
『手引きの糸』三十三年版には三日月棚、の記載があり、点前の省略があった可能性もあります。
項目になく点前が記載されている棚として。
「石州公好角切水指棚」が『石州流怡渓派茶事点順 下』にはあるほか
『石州流怡渓派茶事点順』には表記のない「石州公好春慶塗水指棚」についても『手引きの糸』三十三年版には「独鈷棚」として記載されています。


棚点前の実際

  棚点前の習得には、「棚」が必要になります。tana15.jpg
多くの種類があり、石州流で用いることの出来る棚を全て揃えることは容易ではありません。
 ですから多くの教授者達は「丸卓」「旅箪笥」あるいは本来石州流で用いる棚はない千家の使用する桑小卓を「笈棚」の代用品として用いることがほとんどであり、本来石州流で用いるべき棚の存在は知らない教授者も多く見受けられます。
 また、従来の習得方法では、個々の棚について薄茶のみを習得する一方、一つの棚で、幾通りかの飾り方を提示、その理由は明らかにされていません。
 茶事で用いるべき道具ですから「濃茶」や「炭手前」もしかるべく存在しますが、残念ながら行なっていないようです。
ここでは棚物点前における「濃茶」「初炭」「濃茶」「後炭」「薄茶」を紹介すると共に、共通項をまとめ、より習得しやすいように編纂しました。
 棚物に限らず、従来の石州流では、系統立った、教授方法ではなく、個々の点前を脈絡なく伝授する方法がとられており、整理の付かないままそれぞれが違う手前のように考えられ教えられてきました。
 結果、いつまで経っても棚物の茶事に考えが至ることはありませんでした。
 様々な棚はありますが、点前として大きな変化はなく点順を覚え、それぞれの棚の特徴をグループ分けして習得すればが図とも理解しやすくなるはずです。
 また、茶事に必要な「濃茶点前」や「炭手前」もほかの点前の応用で十分対処できる、との考え方から従来の教科書では省略されていました。
 後世の人がそれを理解できず、「石州流ではそんな点前はない」等と勘違いをしたまま伝承されてきたしまったようです。
 このことを放置したままでは他流との比較により「石州流は著しく劣った流儀だ」と言われても仕方がない状況だといえるでしょう。
 ぜひとも、これからでも遅くはありませんから茶事の流れに従った、点前を復活し正しく伝承していってほしいものです。
 いくら難しい「真台子点前」を覚えたところで、棚物の茶事一つ出来なくて茶の湯を修練する意味はありません。
 棚物を復習する際、あるいは新たに棚を求めた際などにぜひともこれらの点前を習得し、活用して頂きたいと思います。

棚点前の道具組
掛物、炭道具、風炉釜(炉縁)茶碗、茶入(薄器)茶杓、建水は平点前と変わらない物を用いてもよいでしょう。
「水指」は備前、信楽、伊賀、丹波焼など焼締の陶器で出来た水指や木地の釣瓶、木地曲の水指など「草の水指」は用いません。これらは畳に直接置き用いる物です。運点、小間の茶席に似合いの物で棚点前には不釣り合いです。
 水指は「真、行」に当たる物がよいでしょう。ただし、棚により用いても良い場合があります。(後述)
また、塗物の水指も不似合いでしょう。

 おおよそ「塗物の棚」には青磁、高麗物の白磁、その他高麗物、染付、祥瑞、呉須、赤絵、金襴手、交趾、和蘭(日本に将来した順、または使われだした順)など唐物、唐物に準じた物、またはその写などを用いると良いでしょう。「仁清(写)」も畳置きより似合うでしょう。
同様に「白木地の棚」には「瀬戸一重口水指」など「瀬戸焼」「唐津焼」をはじめ「遠州七窯(高取焼、朝日焼、上野焼、志戸呂焼、膳所焼、 古曽部焼、赤膚焼)」など国焼施釉陶器あるいは「樂焼」「乾山(写)」の水指を載せると似合います。

・棚物の稽古に伴う蓋置扱いの習得

「竹の蓋置」は運点に用いるものとして考え、棚物からは「陶磁器」や「唐銅」の蓋置が相応しいでしょう。「扱物」にある蓋置を学ぶのにも良い機会です。進んで用い扱いを憶えましょう。
 扱い物の蓋置として「手引きの糸」では「七種蓋置」として「一閑人、三つ人形、五徳、蟹、栄螺、火屋香炉、印」をあげています。一般には「印」の代わりに「三葉」が含まれます。他に「駅鈴(馬鈴)」「夜学」などのほか「片桐石州公好墨台」「 同 傘鉾」等があります。

・水次の使用tana16.jpg

水次は棚点前の最後に水指に水を足すために用いられるほか「炭手前」でも必要なものです。「木地片口水次」を原点とし、片口水次では「春慶塗」「溜塗」の他、利休時代から薬罐も盛んに用いられます。
会記によると石州公は「春慶塗片口水次」を多く用いておられます。

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